Repair Log (修理の過程をご紹介・・)

National Radio Co. " NCX-1000 " HF Transceiver(千葉 T様所有)

NCX-1000
NCX-1000

あまりにも有名でありながら、まず目にする事のない超希少マシン「Nataional Radio co. NCX-1000」を幸運にもメンテナンスする機会に恵まれました。(TNX OM!)

このマシンが世に出たのは1970年ころ、名機と称される受信機HRO-500などで世界的に評価されていたNational社が、後続他社や日本製マシンに押され窮地に立たされていたころですが、一発逆転ホームランを狙い満を持して世に送り込んだモンスターマシンです。

残念ながら同社はこのNCX-1000の製造を最後に姿を消してしまったのですが、後々まで語り継がれる名機となったことは言うまでもありません。

総生産台数400台弱、しかしそのうち200台ほどは債権者の手に渡り、未だ倉庫の中で眠っているのでは?? と言う逸話まで聞きます。

 

お預かりしたNCX-1000は製造番号が二ケタ台なので比較的初期の製造品。

しかし保存状態は良かったようで、外観にも目立つ傷は無くサビなどの発生も見られません。

残念ながら稼動品ではなく送受ともNGな状態です。 これからじっくりと時間をかけて拝見する予定なので、今後このページでその過程をご報告しながら進めて行きたいと思います。

 

NCX-1000パネル
NCX-1000パネル

パネル面も若干のクスミはあるものの綺麗な状態です。  大きな傷などはありません。

当機はダイヤル式周波数表示ですがデジタル式表示のものも存在します。(どうも後日サードパーティーから発売されたメーカー外オプションらしいのですが? よく判りませんけどHi)

メンテナンスが行われていないせいなのかも知れませんが、ダイヤルタッチはかなり重いです。

 

NCX-1000外観
NCX-1000外観

外観も非常に綺麗ですね。  大きさはW:410 D:410 H:200、重量約35kgの巨漢です。

ドライバ(6HB8)とファイナル(8122)以外はオールTRで構成されたハイブリッドマシン。

電源を内蔵し、トランシーバ単体で500Wを出力すると言う往時の夢のマシンです。

本邦初!? 内部写真公開!!

NCX-1000内部上
NCX-1000内部上

あまり紹介されることの無いNCX-1000内部写真をお目にかけます。

多少の埃はあるものの、至って綺麗な内部状態です。

手前左は言わずと知れた高圧トランス、ファイナル8122に2.8kvを供給して500Wを搾り出します。

手前右側は2ndIF Boardです。  筐体内部の半分以上の面積をトランスとファイナルボックスが占めていますねHi

トランスはSB-2000ASのそれと同じくらいの大きさがあるなあ。

内部上中央部
内部上中央部

VFO&ダイヤルまわりから低圧トランスが見えます。

中央下はIF Filter&RF Clipperのユニットです。 NCX-1000にはRFクリッパータイプのスピーチプロセッサーが内蔵されています。

VFOは意外なほどこじんまりとしたモノです。 一頃のVHF固定機のVFO程度の大きさしかありませんが、すばやく熱平衡に至らせるためにはこの程度の大きさが良いと判断したのでしょうか?

ケースは肉厚でガッシリした作りになっています。

ファイナルボックス1

出ました! ファイナルボックス内部です。

シールドはしっかりしていてネジ20本を緩めないと開けられません。 下部のシールド板含めると合計38本のネジでシールディングされています。

プレートチョークとプレートバリコンの大きさが半端ではない! トランシーバーに入って良い大きさじゃないでしょHi

8122は小型の球ですので4CX250Bなんかと同じ大きさ・・こいつで500Wかあ・・・

(携帯電話は大きさ比較のためです)

高圧整流ボード
高圧整流ボード

ケース下部 高圧トランスの真下にある”高圧整流&平滑回路”です。

「DANGER 3000 VOLTS」が主張していますねえHi

ブリーダ抵抗が一本(左下)焼けてはいますが特性上の問題は無いようです。

平滑コンもオリジナルのままですが見た目は正常。

1st IF Board
1st IF Board

同じくケース下にある1st IFボードです。

やや右寄りに見えるバリコンはEXCITER TUNE(いわゆるドライブチューン)のもの。

右端に見えるシャフトはファイナルボックスに貫通してLOADバリコンに繋がります。

シャフトは2軸になっていて、途中に「糸掛けダイヤル」みたいなプーリーが見えますが、コイツでケース上部にあるプレートバリコンを動かす仕組みです。

スクリーン抵抗
スクリーン抵抗

点検中に見つけちゃいました! 8122のスクリーン抵抗が逝っちゃってますねえ。

抵抗値は若干ずれてはいるものの まあ正常範囲。

でも熱を持つとどうかな??  パワーが出ないのはこのせいかも知れませんね。

球は大丈夫だろうか・・?  8122はいまどき入手困難ですからね。

まずは電圧チェックから初めて慎重にいきましょうか。

部品交換後
部品交換後

写真の向きが変わっちゃいましたけど・・・同箇所の部品交換後です。

スクリーンの抵抗はパスコンを挟んで100Ωと220Ωの直列になっています。

両方とも焼けていましたので交換しますが、220Ωは1Wのものを使用します。

LOADバリコン
LOADバリコン

先ほどのファイナルボックス下側のシールドを外すとコイツが入っています。

LOADバリコンと送受リレー、アンテナチョークなど。

ここはスッキリ あっさり。

8122周り
8122周り

ファイナル8122のソケット周りです。

ALCボードがあり、その後ろにブロアの風入口がぽっかりと覗いていますね。

筐体そのものの大きさに余裕があるせいでしょうか、いたってゆったりとした作りです。

球石混交のハイブリッド機ですから単純比較はできませんが、同じような構成の同年代のリグ(例えばFT-DX400やKWM-2など)に比較して混み込み具合が比べ物になりません。

これならメンテナンスもやりやすいですね。

コンデンサ液漏れ
コンデンサ液漏れ

どうも気になるので電源ONの前に見られる範囲は見ておこうと思い徹底的に目視調査。

居ましたね。 電解コンの液漏れです。 回路はリレーの駆動電源なので、コンデンサがショートでもしない限り問題は発生しない部分ですが、これは代えでしょう。

ちなみにパラってある抵抗(15Ω2W)も抵抗値が20%ほど上昇しています。 気持ち悪いので代えましょうね。

部品交換後
部品交換後

同箇所の部品交換後です。

Diは正常でしたのでそのまんま。

コンデンサはチューブラタイプが無かったので立型です。

「アースに落ちる方の足を極力短く」が鉄則です。

まあこの辺の部品じゃ あまり関係ないと思いますが・・・

ネジ止めもガッチリとやっておきました。

ネジゆるみ
ネジゆるみ

ちなみに先のリレー駆動電源回路ですが、ラグ端子板上に組まれていて、コンデンサのマイナス側が端子板の固定足に繋がっています。

ところが・・・なんとその足を固定しているネジがゆるゆるのガタガタでした。

こりゃあコンデンサの液漏れ以前にコンデンサが端から効いていない状況だったわけでHi

いろいろと出てくるなあ・・ でも面白いぞっと。Hi

ALC&BIAS電源回路
ALC&BIAS電源回路

ファイナル8122のソケット脇にある回路ですが、ALCとBIAS回路用の-90Vを生成する小基板です。

これも1KΩの抵抗が実測1.2kΩに、整流ダイオードは逆方向の抵抗値が「あります」Hi

「ある」時点でこりゃダメですね。

抵抗類はもしかしたら製造上のバラつきで高めになっているのかも知れませんが、回路的に見て影響ありそうなヤツは代えなきゃダメです。

数百k~数メグΩの高抵抗はまだ測っていませんが、この調子だとダメかも・・・

この手のオールドリグのメンテナンス全般にいえますが「もぐら叩き」をやっているようなものです。

あちらを叩けばコチラが出てくる・・・その繰り返しで段々と使えるものになっていきますね。

時間も手間も掛かるのですが、その過程を楽しめるような余裕のある方はごく少数でしょう。

私自身も会社勤めの頃、リグもスキルもありながら時間的余裕がゼロで貴重な無線機を泣く泣く手放してしまったという悲しい思い出があります。 (グスン・・)

当機のオーナーであるT氏もある程度ご自分で悪い箇所を追い込み、部品などを入手されておきながら 手掛けるまでの時間的余裕が無く当方へご依頼いただいたようです。

私のような業者はその為にいるようなもの。  頑張りましょ!

 

 

 

部品交換後
部品交換後

同箇所の部品交換後です。

抵抗の1kΩ1/2Wは在庫がなかったので3kΩ1/4Wを3パラにして取り付けました。

後日正規の部品を入手したら再交換します。

Diは1kV/1Aの1N4007です。

1st IF Board
1st IF Board

1stIFボードをひっくり返してチェックしようとしたところリード線の断線を発見!

と言うか「ほとんど切れかかっていた」と言う状態です。

P406と言う端子ですが、ちょうどマイクゲインVRの真下にあるので、接触を避けるためにリードコネクタの付け根から90度曲げてあったものです。

リード線はベルデン社の銀メッキテフロン同軸! 硬くてストレスが集中したのでしょう。 いとも簡単にポキッと折れてきました。

これもちょうど良い太さのコネクタが入手できるまで半田直付しておきます。

このP406ですが、回路図にその名前がありません。 どうやら回路図上ではJ404にあたるようですね。 Receiver Vernier(つまりRIT回路)のON/OFF制御のようです。

ところで写真のマイクゲインVR 横にスライドスイッチがくっついていますがマイクゲインのツマミを引っ張るとこのスイッチが入ってRF Clipper type speech processorが動作する仕組みです。

取説によるとこの回路で2倍の出力が得られる・・とあります。 つまりSSBでは1KW・PEP OUT PUT!

高圧整流基板の裏
高圧整流基板の裏

高圧整流&平滑基板の裏側です。

この面は正規にリグをセッティングした状態では上を向くので埃がかなり溜まっていました。

揮発性のエレクトニクスクリーナーを吹きかけながら綿棒で丁寧にふき取ります。

コンデンサは目視チェック、ブリーダ抵抗は実測して異常なしを確認します。

 

ダイヤル機構部
ダイヤル機構部

NCX-1000のダイヤル機構部です。 いたって簡単な作りですね。

パネル面に固定されたボールドライブ減速器で1:5に減速後、VFOシャフトに直結されたダイヤル表示板を小さな二重円盤で挟み込んで回すと言う仕組みです。

この作りでなんだかんだ言いながらもダイヤル1回転で20KHzを実現してはいますが、ダイヤル表示は最小読み取り5KHzになっています。(いわゆる1KHzリードアウトじゃないんですな)

この辺の作りはコリンズやドレークにも及びませんね。 この頃のダイヤル機構は日本製が№1でしょう。

ダイヤルタッチはボールドライブ減速器の感触で100%決まってしまっています。 また小円盤とダイヤル表示板の接触具合が均一ではなく、ところどころでスリップしますね。 HRO-500なんて言うダイヤルメカの傑作を擁するメーカーでありながら、コイツは「なんで?」と言う疑問が・・・

 

 

内蔵SP&2nd IF
内蔵SP&2nd IF

二日間ばかり作業をお休みしてしまいました。 さあ張り切っていきましょうHi

写真は2nd IF Boardを外すために、その手前にある内蔵SPを取り外したところ。

でかい図体に似合わず長径9cm・短径5cmと言う楕円形のかわいらしいスピーカーが内蔵されています。

スピーカー内蔵と言うのは当時のUSA機としては大変珍しいのではないでしょうか? 私の記憶する限りでは電源&SP内蔵のUSA機ってのは他に無いような・・

2nd IF Boardには何本ものケーブルがコネクタで接続されています。 それぞれのケーブルに番号札が付いていますが、取説にある番号と合致しませんHi この辺も「あめりか~ん」な感じですね。

2nd IF
2nd IF

2nd IF Board点検中に見つけました。 電解コンの液漏れですねえ。 「TEMPLE」と印刷されたコンデンサの足元、べチャッと濡れたように見えます。

でも幸いな事に漏れ出したのが最近だったのか、周辺の部品やパターン面に腐食は広がっていませんでした。

この基板は以前にもコンデンサ交換されたようですが、コンデンサの汚れ具合や半田の表面の様子から判断して、それとて相当以前の話のようです。

他にも2個ほど液漏れしているコンデンサを見つけましたので、この基板に関しては電解コン全数を入れ替えしましょう。

コイルパック
コイルパック

ファイナルボックスとなりの厳重なシールドボックスを外すと、中からコイルパックが現れます。

右上のコイル・・どう見てもフェライトが破損しているように見えるんですけど?

20m用のものなのですがフラックスで蓋をされているので溶かしてみないと何ともなりませんね。

その他のコイルに破損は無いようです。

右端にあるでかいプーリは先に紹介したプレートバリコン回転用のものです。 糸掛けダイヤルそのものですね。

コイルパックの裏
コイルパックの裏

先ほどのコイルパックの裏面になります。  バンド切り替えスイッチ周りはさすがに少々込み入ってますね。

ディップドマイカにもコイルパックにも過去交換の形跡はありません。

この辺のディップドマイカ・・・怪しいなあ。

バンドスイッチには残念な事に大量の接点復活剤を吹き付けた跡があります。

周辺の部品はベタベタ・・・ 高圧のかかるパーツだとリークの原因になりますし、この様なベークの切り替えスイッチだとベーク絶縁板に浸み込んでしまい、絶縁低下の原因になります。

どうしても接点復活剤を使用したいのであれば、スプレー式ではなく、チューブ入りのモノを慎重に接点部分にのみ塗布します。

ここはお掃除だなあ・・ 大変そうです。

Front End Board
Front End Board

先ほどのコイルパックの上にはRF Front End Boardが乗っかっています。

RF Topは2N918を使用。 同一基板上に送信のALCアンプも乗っています。

本機の症状は「送信受信ともにゲインが10dBほど足りないようだ」との事でしたので、一番怪しいのはこの基板(送受信の共通回路)かコイルパック周辺と言う事になりますが・・・はたしてどうかな??

14MHzBAND COIL
14MHzBAND COIL

先ほどの14メガ用バンドコイル、フラックスを溶かしてみました。

心配したコアの破損は無いようですが、コアが回転しません。 そして良く見ると、そこに在るべきコアガイドの白い筒がありません! コアが直接コイルに入り込んだ状態で固着してしまっているようです。

オーナーT氏に連絡を取ったところ、コアなしのコイル本体なら在るというお話し。 良かった良かった・・ 一応バラして治せるものかどうか確認しますが、代替があるというのは心強いです。

代替のコイルが来るまで、バンドスイッチ周りのコンデンサをチェックしながら待つことにしましょう。

 

あっちゃ~ コイルがあ・・

T6分解の図
T6分解の図

交換予定のT6(14MHzのコイル)を外して分解してみました。

ご覧の通り・・「あっちゃ~」と言う感じですHi

頭に中途半端に刺さっているコアは少し欠けがある程度で無事、ケースを外したら粉々になったコアの残骸がバラバラと。

デュアルコア構成ですのでもう一個はコイルの根元付近に入ったままです。

どうしてこうなったか?と言うと、コア調整をしようとして最初のコアを破損→コアの残骸を十分に取り除かないままに次のコアを挿入→コアの残骸が残っているので新しいコアは途中で引っかかる→かまわず力技でなんとか入れようとしてコアガイドが座屈→二進も三進も行かず茫然自失するHi

IFTのコアは本来スルスルと回るものです。 それがキツキツだったり渋かったりしたらフラックスが無いか、ゴミや破損したコアの残骸が残っていないかなど、要チェックです。

今回は代替のコアがありますので何とかなりそうですが、普通はジャンクと化します。

でもこれでコイルのデータが取れますので作り直し(ベークの棒に新たにコイルを巻く)できるかも・・

鬼門! 第二IFボード

第二IF基板 半田割れ
第二IF基板 半田割れ

第二IF基板のコンデンサ交換に取り掛かりました。 その前に過去にどのような交換のされ方をしていたか確認しておく必要があります。(過去にどれだけの技術を持った方がいじくっていたか判りませんからね)

半田付けの仕方、処理の仕方を見れば腕前がわかります。

正直言ってあまり腕の在る方ではなかったようですHi 交換された部品の半田付け箇所を調べると、軒並みパターンが損傷しており、写真の中央部のようにパターンが剥がれかかっている箇所が何箇所もあります。

ガラエポの基板ですからパターンの接着は良い方だと思うのですが、でかいハンダゴテでやろうとすると一発ですね。  パターンそのものは切れていませんから電気的問題は無いのですが、このままにしておくと剥がれた部分にストレスが掛かり、その内破断しますので補修しながら作業を進めなくてはいけませんね。

 

第二IF基板 半田割れ
第二IF基板 半田割れ

お次は半田割れ発見ですHi

Q515 受信切り替えスイッチTRのベースに付いているコンデンサです。

R526/R544と時定数回路を構成していますが、コンデンサのアースが浮いてちゃね~

時定数ゼロで動いていたんでしょうねHi

他にも何箇所か半田割れが見つかりました。

こ・・これはまずいでしょ・・

第二IF基板 カップリングコン
第二IF基板 カップリングコン

16V100μFのコンデンサが写っていますね。 実はこれ、マイクアンプ入力側のカップリンコンです。

ちょっと100μって大きくない?? 通常AFのカップリングには数μFだと思うんですけど・・

このコンデンサは過去に交換されていたものですが、交換しようとしたところ「何か悪い予感」がして回路図と突合せして見つけました。

他にも調べてみると・・在るわ在るわ、軒並み容量のでかいコンデンサが取り付けられています。

中にはAFアンプ段間のカップリングに220μFが付いている箇所も・・・電源じゃないんだからHi

更に酷い事に電圧もメチャクチャ。 回路図で50V指定の箇所に10Vのコンデンサが!  外してチェックしてみたら案の定しっかりとリークしておりますHi

とにかく、そこら辺に転がっていた適当なコンデンサを「指定容量以上なら良いや!」とばかりに交換しまくったとしか思えません。  回路の動作もヘッタクレも無いってな感じですHi

これは大変! 全数回路図と突き合わせて容量&電圧を合わせた部品に交換しないと。

でも実はこの作業が大変!! 回路図に記載の端子番号や部品番号と、実体写真に記入された番号が一致していないのですから・・ 回路を読んで回路図からその箇所を特定して~ 気が遠くなりますHi

他の基板も再チェックしなくてはいけませんね。 腕が悪いのは半田付けだけじゃなかったHi

第二IF ツエナーDi
第二IF ツエナーDi

まだまだあるぞ、第二IF HiHi

ツエナーDiがオープンしていますね。  11Vのツエナーですが送信切り替えスイッチTRのベース回路に入っているものです。

中央の白いヤツですが、見た目にも膨らんでいるのが判るのでは?

DC14VのTRスイッチ回路からDC+11Vを作る回路ですが、この+11Vは局発回路やVFOにまで電圧を供給してCW運用時のキャリヤポイント移動やRIT動作時の送受周波数補正に使われています。

お預かりしている回路図を見てみると案の定・・ +11V→+12.2V? と米国人の筆跡で書き込みがありました。Hi

安定化されていない電圧で局発&VFOは発振していたんですね。 さぞや調整に苦労したと思われ、前後の回路を念入りに調べた形跡があります。 ご苦労サンでしたHi

470Ω?
470Ω?

抵抗値を測っております。 件の第二IF基板なのですがコンデンサ交換作業を始めてすぐ、またもや「悪い予感」がして(これがプロの証か?Hi)コンデンサと並列に入っていたエミッタ抵抗をチェック。

「え~と黄色・紫・茶色ね・・って事は470Ωですねえ・・・っと??」 なんじゃこりゃ~状態です。 72.4か?と思って何度も見ましたが、やっぱりコンマは見当たりません(笑)

他にも何個か当たってみましたが倍近い値を示す抵抗が何個か見つかりました。 他の回路がぶら下がった状態で測っているのですから、低く表示される事はあっても高くなっちゃまずいですよねHi

ん~~~ コイツは凄い事になっちょるねえHi(ガンバ!)

 

交換した部品
交換した部品

他の仕事もしながらなので少しペースダウンしてしまいましたSri

とは言いながら少しずつ第二IF基板を修復中で、写真はこれまでに交換した部品の数々。

すでに20個以上のコンデンサ&抵抗を交換しましたが、まだまだ基板の1/4しか終わっていません。

こりゃあ第二IF基板だけで100個ペースだね・・・

抵抗は軒並みNG! 上限20%とすれば全数交換しなくてはいけません。 でもほとんどの抵抗は50%以上も狂ってしまっています。  写真に2個ほど足の壊れた抵抗が写っていますね。 別に無理な力を入れて取り外したわけではありません。  ペンチで挟んでかる~く引っ張るとポロリと取れてきますHi

「更新」されないのは作業を「頑張っている」証拠?

第二IF作業中
第二IF作業中

更新されないのは作業に忙しい証拠・・と、言い訳をしておいてHi

作業まだまだ途中の第二IF基板です。  電解コンは全数交換完了(22個!)、さらに抵抗も交換を進めていますが、なにせ数が多い・・ 写真の上側1/4ほど交換済みです。

ソリッド抵抗はやはり軒並み50%以上も抵抗値が上昇しており、中には200%超も!  最初は一個一個実測しながら交換していたのですが、ここまで来ると「片っ端から」交換したほうが早いです。

ようやく道半ばと言ったところですが、交換部品点数はすでに50個を超えました。 こりゃ本当に100個ペース?  この基板の状態で、マガイ也にも受信はできていたと言いますから驚きですHi

でも・・・回路定数が大幅に狂った状態で受信感度を上げようとしていたと言う事は、各部のコイルや半固定抵抗など調整部位は目茶目茶なところになっている、と言う事でして・・・調整も大変そうですね。

セラコン塩吹き?
セラコン塩吹き?

セラコンが塩を吹いた? 劣化したマイラコンでは良く見かけますが、こいつはロウですHi

セラコンの表面はロウを塗布して湿気対策を行っていますが、そのロウが一度溶けたんでしょうかね?

何個かこのように表面に固化したロウが付着したセラコンがありますが、でもコイツは正常。

その他の塩を吹いていないセラコンは表面を触ってみると「ガサガサ」しています。 ロウが塗られていないのですね。

実は欧米のリグにはよくあるパターンで、日本のような高温多湿の環境化を想定していませんから湿気対策を実施していないセラコンが使用されるケースが多いようです。

これももしかしたら「ヤバイ?」 実測してみないと何とも言えませんが、容量が0.01μFとかですから悩まずに代えちゃった方がいいかも。  どうせココまでやったんだしHiHi

第二IF 交換済み抵抗
第二IF 交換済み抵抗

「進んでないじゃないか!」と言われないように時々アップしなくちゃねHi

W-Cup観戦に忙しい事もありますが、別件の仕事もあったりして少し停滞気味ではありますSRI

写真はこれまで第二IF基板で交換した抵抗器です。  かなりの数になりました、芋虫みたいで気持ち悪い・・・

当初回路図面に交換した抵抗器に印をつけながら進めていたのですが、やればやるほどダメ抵抗が現れ、今では面倒くさくてやっていませんHi

こりゃあもう全数交換覚悟です。 抵抗器、残り半分くらいかなあ・・・その後、セラコンのチェックをしてTRのチェックをして、まだまだ楽しませてくれそうなNCX-1000(Hi)

抵抗はこれでも20%を許容範囲としてあります。 実際はほとんどが50%以上のズレがあり、数KΩの抵抗が数百KΩに・・・なんて例も少なくありません。  この時代のW製抵抗の作りが悪かったんでしょうねえ。 国産ではこんなにずれている例は少ないです。

 

第二IF基板 ひと段落 (汗)

第二IF 全コンデンサ&抵抗
第二IF 全コンデンサ&抵抗

やりました・・・第二IF基板の全コンデンサ&抵抗器交換。  何個交換したのか、数えるのもイヤですHi

NCX-1000では他に第一IF基板とRF基板がありますが、部品点数の最も多いのが今回の第二IFでしたから何とか山は越えたのかな?

TRは静特性では問題なしでした。 動かしてみてどうなのかですが、まずは全基板の部品交換を実施してからじゃないと。 オーナー氏によると低圧トランスの電圧が低いようだ・・・とのお話でしたが、これだけNG部品があったのではまともな負荷状態ではなかったでしょう。

 

RFユニットに突入!

RFユニット部品交換
RFユニット部品交換

やれる時にやっておかなくちゃ・・ではありませんが、お次の基板へ突入です。

RFユニットですが電解コンは無し。 抵抗のみ交換ですね。

裏に小基板などもあるので写真の状態で半分くらいの進捗でしょうか。

でも先の第二IFに比べれば先が見えるだけ気が楽HiHi

DRAKE HF Receiver R4C Sherwood Tuned (大阪 S様所有)

Drake R4C fully Sherwood KIT's inside!
Drake R4C fully Sherwood KIT's inside!

Sherwood Engineerig Inc. 受信機の性能を向上させようとお考えの方ならば一度は聞いたことのあるメーカーではないでしょうか? ここにご紹介するDrake R4Cに搭載可能な一連のキットがあまりにも有名ですが、IcomやKenwood Vertexなど国内メーカーの機器にも搭載可能なフィルターキットなどを数多く販売していますね。

写真のR4Cは大阪S様所有の最終版に近いタイプのものですが、外観からは想像できない数々のModsをそのシャーウッドキットによって行われています。

性能の差は歴然としており、まさに別物ですね。FB!

今回はそのシャーウッドキットのうち、フィルターコンデンサキット・電源回路キット・プロダクトデテクタキット・AFアンプキットの装着作業と総合調整をご依頼いただきました。

作業自体は説明書の通りなのでたいしたことはありませんが、過去に何度と無く手が加えられてきたマシンですので、まず元に戻すことから始めなくてはなりませんでした。

R4Cの中(下面)
R4Cの中(下面)

数々のシャーウッドキットが実装されています。  この写真はシャーシ底部の様子ですが、一番手前にLM383を使用したAFアンプキット、その左上には半分隠れてNE602Aのプロダクトデテクタキットがあります。  中央後方にあるのは3rdミキサーキットですね。 電源回路もシャーウッドに代わっています。  AFアンプをこのキットに変えることでハムなどのノイズの問題、発熱によるPTOの変動問題などが解決されるそうです。(ただこのAFアンプ ゲインが40dBもあるので入力の配線引き回しには注意を要します。 また、前段の回路によっては入力過多で歪を発生する場合もあるようで、キットの説明書にも入力に1kΩを入れるよう指示があります。 このマシンでは3.3kΩを入れてちょうど良い感じでしたね。) 

プロダクトデテクタはSSBではその差はあまり判りませんが、CWのトーンは澄んだ音になり聞きやすく感じられます。

中央やや右に見えるフィルターはCW用ルーフィングフィルターです。 オリジナルは帯域8kHzの4ポールですが、コイツはなんと600Hz帯域で6ポールの構成です。 帯域外減衰量は130dBにも達し、超隣接強信号にもびくともしません。 良いね~

3rd Mixer KIT
3rd Mixer KIT

コイツがうわさの3rd Mixer KITです。  R4Cの弱点とも言える6EJ7に取って代わる訳ですが、電源回路からのバズやマイクロホニック振動を排除します。  

たいへん効果的なキットなのですがSN16913などのICで作ってもても面白いと思いますね。

4フィルターおよびAGC切り替え
4フィルターおよびAGC切り替え
SSBルーフィングフィルター
SSBルーフィングフィルター